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 「下請け」からパートナーへ 関係構築めざそう
 運送業界が訴え続けている一つに「適正運賃の収受」がある。荷主や元請けに対し、立場の弱い運送事業者が適正運賃を受け取るには、「下請け」という立場から脱却しなければならない。対等な「パートナー」として肩を並べてこそ、適正運賃の収受も可能になる。

 しかし、04年に下請法の適用範囲に「トラック運送の元請け、下請け取引」が入ってからも、下請けイジメはなくならない。公取委では、道路貨物運送業を「(下請法の)過去に違反が多く見られた3業種」の一つとしている。22年度上半期でも事例として、下請代金から「割引手数料」や「割引料」と称して一方的に差し引くケースが多く見られる。

 また、大量発注後も代金の見直しを行わず、単価を据え置くケースや、手形が120日を超える131日手形が交付される事例も見られた。

 独占禁止防止法でも「物流特殊指定」が適用され、優越的地位の濫用が厳しくチェックされても、「過去に違反が多く見られた3業種」から脱却できない。国交省もトラック輸送適正取引推進パートナーシップ会議を開くなど適正化に力を入れているが、根本的な解決には至っていない。

 荷主とパートナーとしての関係を構築できる運送会社も存在するが、問題は運送業界の「下請け・孫請け」制度の重層化にある。荷物を丸投げして利ざやを稼ぐ意識がなくならない限り、「適正運賃」は普及しない。この問題には、規制緩和による新規参入事業者の増加が関係している。

 近畿のあるト協役員は「規制緩和で多くの運送事業者が参入してきたが、本当に資格がある事業者がどれだけいるか。社会保険にも入らず、でたらめな運賃。このような事業者を協会で教育する必要もあるが、そんな事業者は非会員が多い」と指摘する。

(11/02/04)


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