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 伸び悩む「宅配便」に異業種が参入
 現在の日常生活に欠かせないものになった「宅配便」。しかし、宅配便個数は2年連続のマイナスになるなど、ここに来て伸び悩みを見せ始めている。その半面、コンビニ大手のファミリーマートやファストフード大手のマクドナルドが宅配事業の展開を視野に入れる動きを見せ始めている。「宅配」を巡る各業界の動きを追った。

 国交省によると、平成21年度の宅配便取扱個数は31億3694万個。前年度比で7472万個(2.3%)の減少となった。初のマイナスとなった同10年度に続いて2年連続のマイナスとなった。

 同省では「景気低迷の影響を受け荷量が減少した」としているが、「インターネットなどを利用した通信販売やオークションなどの需要拡大や営業努力で、前年度を上回った事業者もある」としている。

 宅配便の取扱個数が減少しているものの、宅配事業への進出を視野に入れる業種が増えている。ファミリーマートは毎日新聞社と提携し、宅配事業の展開を考えている。毎日新聞社が持つ全国の販売店を利用し、商品の受注、配送を手がけるというもので、新聞のチラシなどに受注票を入れて注文を受ける。

 両社提携の背景には、全国で600万人に上ると言われる「買い物難民」の存在がある。経産省によると、「全国で600万人程度が過疎地だけではなく、大都市周辺の団地などでも深刻な問題になっている」とし、「地方自治体が補助金を出して支援していく必要性がある」と訴える。

 ファミリーマートでは「買い物弱者だけではなく、都市部のオフィス街でも高額賃料などの理由から商店を出せない地域もあり、ランチなどの買い物に不便を感じている人が多くいる」としている。日本マクドナルドでも東京・世田谷区を中心に、都内で宅配を試験的に実施するという。

 不況の影響で宅配便個数は減少しているが、「買い物難民」「買い物弱者」など、問題解決に宅配システムが不可欠とも言える需要は少なくない。併せてネットなどでの利用は増加しており、「宅配」の潜在的な需要はまだまだ大きいようだ。

 宅配便個数は2年連続で減少しているが、「メール便」は平成21年度で51億3278万冊、前年度比1億2372万冊(2.5%)増加している。「ゆうメール」と「クロネコメール便」で全体の93.6%を占める。ヤマトホールディングスは「個人・法人向けへの良質な品質を基盤とした事業展開を積極的に推進した結果」としている。

(11/01/21)


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