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大型免許の取得 運送会社が斡旋
 労働集約型産業の典型であるトラック運送事業では、人材の確保と教育が企業の質を決めるともいえる。中型免許が始まってから、若手の採用では様々な工夫が必要になってもいる。大型免許を会社が協力して取得させるケースもある。

 神奈川県で食品輸送を行う運送事業者では、採用した運転者の大型免許取得を進めている。試験場で受験する、いわゆる一発免許では、いつ合格するかも分からず時間がかかるため、教習所と提携して1か月で取得できるよう、カリキュラムを作ってもらい取得を目指す。取得してすぐに会社を辞めないことが条件だ。

 同県で建設資材を運ぶ運送会社でも、会社で大型免許の取得を進めている。同社の場合、輸送する品物のために小型移動式クレーンとユニック玉掛けの免許も必要で、これに大型免許を加えた3つを入社後に取得させる。大型はやはり、教習所に通わせて短期間での取得を目指している。

 採用時には経験者を採用するよりも、未経験の普通免許保持者を採用するようにしているという。試用期間の3か月の間に各免許を取得するよう教育。同社の社長は「最近は社会全体で交通事故が減ったと言われているが、荷物が減って稼働率が減ったからだとも言われている。だが、仕事が少なくても事故を起こすところは起こす。それよりも、忙しかった頃は人手不足で、面接して多少の問題のある人でも使っていたと思う。今は安全に仕事ができる人を選んで採用しているので、事故が減っているのではないか」と話す。

 入社後の教育では、ドライブレコーダーを利用する事業者が増えている。毎月の安全会議で、ドラレコに記録された危険運転の映像を流して、全員で危険要因を話し合うなど会議資料として使うところもある。また、ドラレコを設置して個別に危険運転を把握し、記録映像で面談して危険運転を治させる事業者もいる。

 同じく神奈川県の運送会社では、全トラックにドラレコを装着。すると、今まで事故がないために分からなかったが、横断歩道で歩行者を怒鳴っていたり、前車をあおったりといった危険運転が発覚してきた。そこで個別に面談を実施し、危険運転の映像を見せて、徹底した教育を行ったという。  採用から教育まで、各社の人材戦略は企業としての社会貢献でもある。

(10/02/05)

<記事提供:物流ウィークリー


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