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 運輸労連 賃金・労働条件報告書まとめる
 全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)がこのほどまとめた「賃金・労働条件報告書」によると、トラック運輸産業に従事する人たちの月額平均賃金(07年度6月実績)は35万6330円で、前年に比べ552円(0.2%)の減額。

 10年前の38万99円に比べると2万4000円(6.3%)も減額になっている。労働時間が増加しているにもかかわらず、所定内および所定外賃金が減少。ドライバーに限らずトラック企業で働く人たちの厳しい賃金実態が浮き彫りとなった。
 
 調査は、運輸労連傘下の単組に所属する労働者8万8695人を対象に行ったもので、平均労働構成は40.2歳、勤続11.5年、扶養1.5人。厚労省発表の全産業全労働者平均(41.0歳、勤続12年)および全産業高卒男子35―39歳標準労働者平均と比較すると、全労働者平均より2万5000円、高卒男子標準労働者より1万4000円高いものの、「所定内賃金」は22万2374円で、全労働者平均より7万9000円、高卒男子標準より7万4000円それぞれ低い。

 トラック産業の賃金は固定給の低い部分を「時間外手当」「歩合給」でカバーしているためで、年度別推移では過去3年間、所定内賃金は低下傾向を示し、仕事給は増加。また、労働時間の増加に伴い「所定外賃金」は増えながらも、賃金総額はわずかな減少が続いている。

 一時金を含む年間所得額は、標準労働者(男子35―39歳)を職種別平均でみると、男子事務職が最も高く656万円(前年比26万円増)、次いで男子大型運転職509万円(6万円減)、男子普通運転職413万円(8万円減)の順。

 このほかフォークリフトは425万円(16万円減)、整備職は398万円(15万円減)、女子大型運転職は409万円(3万円増)、女子事務職は396万円(15万円増)など。サンプル数が少なく安易な比較はできないが、女子普通運転職は332万円(60万円減)。

 職種間格差も拡大してきたが、企業規模による格差も拡大。大手企業(従業員1000人以上)を100とした場合、男子事務職では中小企業(300人以下)が58―74、金額で171万―284万円の開きがあった。ただ、運転職は大型が83―90、普通75―101となり、いずれも前年より格差は拡大したが、普通運転職では大手と同水準またはそれ以上も。

 年間所得額の他産業との比較では、全産業平均100に対しトラック産業は72。運輸労連は「日本経済や国民生活を支える重要な役割を担うトラック産業の賃金水準は依然として低く、他産業との格差も拡大している」と指摘。08年春闘の取り組みに組み込むという。
                    (08/01/25)
<記事提供:物流ウィークリー


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