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 中小機構 トラックの共同購入を提案
 中小企業基盤整備機構(中小機構)は現在、運送事業者に向けて「高度化事業を利用して、『トラックの共同購入』をしませんか」と、力を入れてPRしている。同機構地域経済振興部高度化事業推進課の中島龍三郎課長に話を聞いた。

 同機構が行っている「高度化事業」とは、中小企業が連携して協同組合や連合会などを形成し、経営基盤の強化や環境改善に取り組む事業に対して、同機構が資金とアドバイスの面から支援する制度。土地や建物、設備などを対象とし、同機構と都道府県とが一体となって貸し付けを行う。

 融資の対象となるケースとして、いくつかのパターンをそろえており、代表的なものとしては、生産や物流を担う複数の事業者が工業団地を形成する「集団化事業」が挙げられる。また、物流業界になじみ深いのは「共同施設事業」で、同課長は「物流センターや、給油所を作るケースがある」と説明する。

 同機構が現在、注力している「トラックの共同購入」は「設備リース事業」のメニューの一つ。4人以上の組合員のトラックを組合が一括で購入し、組合員に買い取り予約付きで賃貸する際、購入資金として融資を行うというもの。融資返済終了後は、トラックの所有権が組合から組合員に移る。年利は1.10%(平成19年度貸付分)と低金利で、20年間固定なのも魅力。なお、流通業務総合効率化促進法(物効法)や新事業活動促進法等の認定を受けた場合は無利子となることもある。

 トラックなど法定耐用年数が短い設備は「高度化事業制度」の対象外とされていたが、「7〜8年は継続して使う」(同課長)という実質に沿った形で、トラックも平成16年の同事業改正時から適用が開始された。「融資の期間も、実際に設備を使用する年数に合わせることが可能」(同)だという。

 手続きは、(1)事前助言(2)診断申し込み(3)診断助言(4)借り入れ申請(5)貸し付け決定(6)資金交付請求(7)金銭消費貸借契約の締結(8)貸し付け金交付(9)支払い完了検査──となる。

 同課長によると、「都道府県の予算化が必要となるため一概には言えないが、貸し付けの開始までは1〜1年半程度」とのこと。なお、「事業計画の立案や、関係書類の整備に戸惑われる組合・事業者も多い」ため、同機構では無料の経営診断やアドバイザーの派遣も行っている。

 「トラックの共同購入」に関する事例は「現在のところゼロ」だが、同課長によると、「中部地方で融資の開始に向けて動いている協同組合がある」。問い合わせも増加傾向にあり、同組合の事例ができれば、「各都道府県への普及も進むのではないか」。今後は、全ト協や日貨協連とも連携を深め、PRを図っていくという。

 同課長は、「トラックの共同購入をはじめ、『高度化事業制度』はさまざまな事業・設備を支援の対象にしている」とした上で、「環境問題や少子高齢化など、経営上取り組むべき課題は多い。この制度を、経営効率化の施策の一つとしてお考えいただければ」と話す。

                    (07/12/07)
<記事提供:物流ウィークリー


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