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 断る・断らない 荷動き増加で各社の対応は
 荷動きが増加に転じていることから、発注を受けるべきか否かといった悩みが運送会社から聞かれるようになっている。選択権が運送会社側にあることから「贅沢な悩み」と各社とも捉えているが、「右肩上がり」の荷量増加ではないことが分かっている経営者たちは、中長期的な視点を持ちつつ「受けるべきか否か」を判断している。

 「午後4時くらいまで対応していたが、今は2時過ぎには全てのトラックに荷物が付いてしまっている」。4トン車を中心に15台程度を運行させる近畿地方の運送会社社長は、物量の増加について話す。

 運送会社からの傭車受注を中心に展開しているが、最近は早い段階でトラックが出払うため、「もう、ありません」と断ることが多くなっている。「すべて自社便で対応するという信頼があるからこそ発注してくれると思っている。ウチが2次の傭車を使いだした途端に取引がなくなるのではないかという不安がある」。「もう、ありません」と宣告することが信用につながっているという考えだ。

 ただ、状況が逆張りになった時の不安も抱えている。「仕事をくれる運送会社のなかには、今後数年単位で伸びそうな公共工事関連の荷主を抱えている。信用はあっても、たった数台だけの取引先であることに変わりないので、吹いて飛ばされることにもなりかねない」と、取引先確保に奔走する。取引先が多くなれば、自社トラックの対応の限界が余計露わになってしまうという矛盾を抱えながらの行動だ。

 逆に2次傭車を積極的に利用する事業者もいる。食品関連の物流会社数社を取引先に持つ近畿地方の運送事業者がそうだ。

 スーパーマーケットなど特売が多くなる3月は、特にトラックが足りない。スーパーのなかには、各店舗での荷下ろし担当が誰なのか、初めて納品に行ったトラックには容易にわからないといったものも多くある。交通法規は守っているものの、「右折入場禁止」のスーパー内規に触れたトラックを出入り禁止にしてしまうところもあるという。事業者はそれでも、2次傭車として走ってくれるトラックを探し回る。

 「1次傭車のなかでも、ワンストップでトラックを集められるような便利な存在を目指している」と事業者。どうしてもトラックを手当てできそうにないときには眠れなくなる。それでも「トラックがありません」とは言えない。

 事業者は、「スーパーや物流会社自身に浮き沈みがあるなか、どれだけ尽くしても長期的な展望はない。しかし、同じ食品業界のこと。ワンストップの便利さが伝われば、どこででも生きられるのでは」と話す。

(13/06/14)



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